アメリカ便り19:進路決定の時期(2006年10月)
皆さん、こんにちは。ピッツバーグの山前です。
今回は私が現在している就職活動について述べてみようと思います。
ご存じのように来年の6月に家庭医療の研修は卒業です。その後は日本に帰るか更に研修を続けるか決めなければなりません。
交換留学ビザでは研修終了後は母国に戻らなければならない取り決めになっています。
もともと新八柱台病院で働いている時から老人ホームで患者さんを診る機会を与えられ老年医療に興味があったため、老年医学のフェローシップ(後期研修)を探すことにしました。日本では老年医学がまだ一般的でなく確立されているとは言えない状態ですので、帰国した際に少しでも日本の医療に貢献できるのではないかという期待もしています。
さて、家庭医療の研修終了後に進むことの出来るフェローシップは内科と比べて限られています。
代表的なものには老年医学以外に、スポーツ医学、ファカルティーディベロップメントが挙げられます。スポーツ医学は特に人気で、フェローシップの競争率は非常に高いです。また、ファカルティーディベロップメントは日本に同等の研修が無いためカタカナで書きましたが、要は将来の指導者を育成するプログラムです。そのプログラムの性質上、アメリカ政府から援助を受けているプログラムがほとんどですのでいずれ自国に戻る外国人医師には敷居が高いことが多いです。ただしピッツバーグ大学医療センターでは、これまでの優秀な日本人を含む外国人医師の努力のお陰で毎年数人の外国人医師がフェローシップに進んでいます。
そして、老年医学。老人専門の科であることから華々しさが無いためか、競争率は高くありません。中には研修の始まる直前まで研修医を募集しているところもあります。
と言うことで、何をするにも腰が重い私はようやく応募の準備にかかったところです。応募するのは今いるピッツバーグから車で引越しできるところを中心に選んでいます。これまでお世話になった先生方から推薦状を快く書いて頂けましたので、後は面接に呼んでもらうのを待つのみです。
私のクラスメートは例年よりもフェローシップに進む者が多いため、来年の職が決まっている者はまだ1人しかいません。もう数ヶ月で私も含め来年の動向が見えてくるでしょう。
辛かったインターンを乗り越え、協力し合いながら研修してきた仲間の卒後の進路はやはり気になるため良く話題になります。何か決まりましたらこの紙面上でお知らせさせて頂きます。
山前浩一郎
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