皆さん、こんにちは。
今回は今月発表されたアメリカ糖尿病学会の治療ガイドライン2015の話です。
アメリカ糖尿病学会は毎年治療ガイドラインをこの時期に発表します。
昨年は治療薬の選択に優劣を付けず、患者さんの病態に合わせて薬を選択する、というこれまで日本糖尿病学会が提唱していたガイドラインにそっくりな変更をしたことで話題になりました。
さて、今年はどうなったでしょうか?
大きな変更点としてはコレステロールを下げるスタチン(リピトールやクレストールなど)という薬に関してでしょう。
糖尿病を患うとコレステロールも上がりやすいですね。LDLコレステロールといういわゆる悪玉の値が高いのでお薬を飲まれている方も多いと思います。
今回のアメリカの改定では40才以上の糖尿病患者さんはコレステロールの値にかかわらず、スタチンというお薬を飲むことが推奨されています。
コレステロール値が正常であるにもかかわらずスタチンを開始するのは、もともと心筋梗塞が欧米人と比べて少ない日本人には合わないのではないかと思いますが、今後日本糖尿病学会がどうガイドラインを改定するか注目です。
その他に拡張期血圧の目標値が70 mm/Hgから80 mm/Hgに引き上げられました。また、アジア系アメリカ人は比較的痩せていても糖尿病を発症しやすいことからBMI(体格指数)が23を超えたら糖尿病の検査をしましょう、という変更もありました。BMIが23というとかなり多くの人が引っかかってしまうのではないでしょうか。
ちなみに身長160cm、体重59kgだとおよそBMI23となります。
体重が気になる方で検査をしたこともないという方には定期的な健診をおすすめします。