皆さん、こんにちは。やまさきファミリークリニックの山前です。

普通、クリニックの名称には内科、外科、小児科など医師の専門分野の名前が入っていることが多いですよね。当院が「ファミリークリニック」を名乗る理由は院長が家庭医療の専門医だからなんです。

多くの方は家庭医療という言葉すら聞いたことがないかもしれませんので少し説明させてください。
アメリカでは1960年代後半に家庭医療が新たな専門科として設立されました。臓器別の専門医しかいなかった時代、複数の健康上の問題を抱える患者さんを総合的に診療し、目の前の患者さんのみならず、そのご家族も長年にわたって診療する「かかりつけ医」の必要性が高まったからでした。
近年日本においていもかかりつけ医の重要性が再認識され、地域医療を担う専門医として家庭医が注目されています。

今日ほどインターネットが整備されておらず、日本における家庭医療のトレーニングの場がごく限られていた2000年の冬、院長はアメリカにある家庭医療の研修こそが自分の理想の医師像に近づける道だと勝手に確信したのでした。なんとかアメリカの医師国家試験に合格し、2004年にアメリカ、ペンシルバニア州にあるピッツバーグ大学医療センターで温かい仲間に支えられ、2度目の研修医生活を始めることができました。

アメリカで研修を開始する直前、院長は千葉県松戸市のとある病院に勤務していました。その病院は60床強のこじんまりとした個人病院だったのですが、熱いハートを持った医師たちが活躍するきらりと光る素敵な病院でした。帰国後はその病院に勤務する予定でしたので留学中ほぼ毎月院内報向けにエッセイを書いていました。
残念ながらハワイ大学で老年科研修中にその病院は医業とは関係ない理由で閉院となってしまったため、エッセイは２７回で止まっています。

開業に当たり、皆さんに家庭医療ってどんなことをするのか知っていただくために、書き溜めたエッセイをこの場で公開していこうと思います。お暇なときに読んでいただけると嬉しいです！