皆さん、こんにちは。
今日は聞きなれないSPIDDMという糖尿病の話です。
糖尿病というとどうしても生活習慣病で、運動せずに食べ過ぎることが原因になると思いがちですね。
しかし、いわゆる生活習慣病であるのは2型糖尿病といい、小学生くらいで発症してインスリン治療が必須である1型糖尿病という糖尿病もあるんです。
野球選手やエアロビクスの選手で1型糖尿病であることを公にしている人もいらっしゃるので耳にしたこともあるかもしれません。
たくさん食べて筋肉をつけ、運動量もかなり多い運動選手はインスリンの注射量の調整も難しいことでしょう。しかし、1型糖尿病のお子さん達に希望を与え続けている姿は素晴らしいですね。
さて、糖尿病は大きく1型と2型に分けることができますが、最近SPIDDMの患者さんが結構いらっしゃるということが分かってきています。
SPIDDMは日本語で緩徐進行1型糖尿病といいます。読んで字のごとく、ゆっくり進行する1型糖尿病なのです。
内服薬でも血糖コントロールが困難でインスリン治療が必要になる2型糖尿病(だと思っていた)患者さんを詳しく検査すると、1型糖尿病の患者さんでしか見られない抗GAD抗体という膵β細胞を破壊する自己抗体が陽性の方がいることがわかりました。こうした患者さんたちは純粋な2型糖尿病ではなく、1型糖尿病の素因を持った方々ですので、SPIDDMと名づけて将来インスリンが必要になる可能性が高い患者さんとして注意しながら診察する必要があります。
ただし、抗GAD抗体は糖尿病を専門にしている医療機関でしかなかなか検査されませんので見逃されていることが多いのが現状だと思います。
糖尿病の方は一度でいいので検査を受けておくことをおすすめします。