皆さん、こんにちは。
この回から舞台をハワイのホノルルに移します。
残念ながらこのエッセイは27回で終わってしまいますがあと少しお付き合いお願いします。
アメリカ便り24:ホノルル引越し完了(2007年8月)
皆さん、こんにちは。ホノルルの山前です。
3年過ごしたピッツバーグを離れホノルルに引っ越してきたのが7週間前。
現在の家に移ったのが3週間前です。まだまだ部屋の中は段ボールが山積みですが、ようやく新居も我が家としての居心地良さを感じられる様になりました。
以前皆さんに説明させて頂きましたが、ピッツバーグでの家庭医療の研修が6月に無事終了し、現在は7月からハワイ大学で老年医学の後期研修をしています。
日本の医科大学を卒業して今年で丸12年、すでに13年目にも関わらず未だに研修をしているのは何とものんびりしているようですが、おそらくこれが最後の研修になるはずです。
1年もしくは2年の短期ではありますが、ハワイでの医療、ハワイで暮らすということについて皆様にお伝えできたらいいなと思っています。
さて、私が物心ついてから初めてハワイに遊びに来たのは17年前でした(2歳の時に来たらしいのですが覚えていません…)。その時の記憶といえばビーチで遊んだことくらいしか思い出せませんが、こんなところで生活したいなと思ったことは確かです。
それから一度もハワイに来ることなく今回の引越しになったので実際生活するとどうなるかは想像に難しく、引越し前は物価がニューヨークの次いで高いだの、公立学校の教育レベルが低いだの否定的な意見しか目にとまりませんでした。
ホノルルに引越してみるとワイキキに滞在する観光とは違い人々の生活が見えてきます。確かに物価はピッツバーグよりかなり高い印象です。公立小学校も数校を除くと”行かせてはならない”と先輩達に警告されました。しかしそんなネガティブな面を忘れさせてくれる何かがここ、ホノルルには有るのです。
第一に私は今ハワイではマイノリティーでは有りません。というのも日系人の人口が中国系に次いで2番目多いのです。本土ではマジョリティーの白人はハワイでは下から2番目。アフリカ系アメリカ人は1%に過ぎず人口分布には登場しません。全体の6割がアジア系アメリカ人なのです。
ですので一緒に働く医師の苗字もほとんどが日本人の名字です。名前はさすがにアメリカの名前ですが。日系人がマジョリティーであるお陰で日本の文化が色濃く存在しており、ハワイ独特の分化とアメリカの文化、さらには日本の文化がほどよくミックスされています。
ワイキキに滞在しているだけではおそらく目にすることがないと思いますが、7月には盆ダンスが至るところで開催されていましたし、公立小学校では週に1回日本語の授業があります。また、放課後に日本語学校に通う子供も少なくありません。いわゆるアメリカ人(白人)も日本に対する知識をかなり持っており好意的です。本当にここがアメリカかと思われる位に、日本人であることが至って普通に感じられる場所なのです。
もちろん、ホノルルを出ると白人が多い地域や、ハワイ人(といっても純粋なハワイ人は1万人くらいしかいないそうです)が多い地域もありますが、アジア系の人々が多いだけで安堵感を感じずにはいられません。
ということで毎日アロハシャツを着ながらとても快適にリラックスして仕事をしています。運が良ければ2年滞在し、最後の年は老人ホームの医学管理等について学び、将来に生かそうと考えています。今後ともよろしくお願い致します。
山前浩一郎
ハワイ大学の同期。