皆さん、こんにちは。
今日は糖尿病とインスリンの話をしたいと思います。開院してまだ日は浅いものの、糖尿病の患者さんも少しずつ増えてまいりました。
まだ発症して間もない方もいればそうでない方もいらっしゃいます。
中にはこれまで飲み薬で頑張ってきたものの、そろそろインスリンでないと血糖値を下げられなさそうな患者さんもちらほらいらっしゃいます。
インスリンの話を切り出すと共通しておっしゃるのは、インスリンを使うとやめられないんでしょ?とか、インスリンは糖尿病の末期の人が使うんでしょ?といったことです。
確かに私が医学生であった頃はインスリンは最後の砦のような位置づけで、どの経口薬を使用しても血糖が安定しない場合に使用される傾向にありました。
ですが、最近の研究では逆のことがわかってきたのです。つまり、インスリンをなるべく早く使用することで、患者さんご自身の膵臓のインスリンを作る能力を温存するほうが長期的に良い結果になるということ、とにかく血糖値を下げることで糖毒性を解除すれば飲み薬の効き目も良くなるということです。
注射はたしかに怖いですよね?でも大丈夫。インスリンの注射針はものすご~く細いですし、ほとんどの方が刺していることを気づかないくらいなんです。
早い時期にインスリンを始めることで糖毒性がとれてインスリンをやめることができた患者さんもたくさんいらっしゃいます。
なぜ糖尿病を治療しなければならないのか、その原点に立ち戻り、1日でも早い血糖の安定化を目指していきたいですね。
当院ではなるべく打つ回数が少なく、生活に支障が出にくい打ち方を皆さんと一緒に考えていきます。
また、現在学会でも活発な議論が行われている低糖質ダイエットも応援します。その話はまた後ほど。
右が採血で使用する太めの針です。左がインスリンの注射針。太さがぜんぜん違うのがわかりますね。