皆さん、こんにちは。
今日は皆さんが普段飲まれている薬の”数”についてのお話です。
年令を重ねるにつれてどうしても健康上の問題が増えてきてしまいますよね。
高血圧、高コレステロール、骨粗しょう症、不眠、関節の痛み、便秘…、これらの疾病や症状を持っている方は多いのではないでしょうか?
仮にこれら全てに1剤ずつお薬が処方されたらこれだけですでに6種類のお薬を飲まなくてはならなくなります。
痛み止めを飲むと胃が荒れるので胃薬も、となると7種類。
それ以外に糖尿病や、痛風の薬、血液が固まりにくくなる薬、抗不安薬、時々抗生物質などを飲むと簡単に10種類を超える薬を飲まなくてはならなくなってしまいます。
特に高齢の患者さんにとってはお薬の飲み過ぎが問題になってきます。
薬が多すぎてきちんと飲めないと言った服薬管理の問題以外に、せん妄(思考が混乱して認知症になったかのように見える)、転倒・骨折、日中も常に眠い、腎臓や心臓への負担が増えるなど、薬が原因で体調を崩すどころか病気を作ってしまう本末転倒なことになることが知られているのです。
”ポリファーマシー”という言葉があります。たくさんの薬を飲んでいる状態のことですが、上で書いたように現代の日本の高齢者はポリファーマシーであることが多く、健康上の問題となっています。
一体何種類飲んでいればポリファーマシーかというと、正確な定義はありません。私が老年内科の研修をしたハワイ大学では9種類以上をポリファーマシーとして統計をとっていました。
9種類なんてすぐに超えてしまう、なんていう声も聞こえてきそうですが、できるだけ不必要な薬は減らしたほうが体のためです。
複数の医師に受診しているとポリファーマシーを見逃してしまうことがあります。主治医の先生に毎回すべてのお薬をチェックしてもらうようにすると良いと思いいます。
また、高齢者は避けたほうが良い薬もあるんですよ。
次回はそれら避けたほうが良い薬の話をしましょう。