やまさきファミリークリニック 院長ブログ

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アメリカ便り4 米国臨床留学 家庭医療@ピッツバーグ大学

皆さんこんにちは。今回は家庭医療の研修生活の醍醐味である入院チームの話です。開業している多くの家庭医と一緒に働くことで様々な先生から影響を受けました。

 

アメリカ便り4:入院チーム(2004年9月)

皆さんこんにちは。ピッツバーグの山前です。今月は家庭医療の入院チームのお話です。

家庭医療は以前お話ししたように守備範囲が非常に広いかですから、入院してくる患者さんの疾患も様々です。ほとんどの患者さんが3-4日で退院しますのでどんどん入院してどんどん退院するといった感じです。当直もこのローテーションではいつもより忙しくなります。普段は4日に一度の当直なのですが、入院チームになると3日に一度も当直をしなければなりません。当直の日はだいたい5-7人の患者さんが新たに入院してくるのですが、患者さんから話を聞き、身体所見を取り、カルテを書いて方針を立て、主治医に連絡する作業をすると一時間以上かかってしまうのでそれだけで10時間近くかかることになります。それ以外にも病棟からポケベルで呼び出されるのでほとんど眠ることが出来ません。ただし、当直の翌日は昼のカンファレンスが終了すると帰宅出来る事になっています。そこが日本との違いでしょうか。休みの時には必ず誰かがカバーをしますので絶対にポケベルで呼ばれることはありません。働いているときはとことん働いて、休みは完全に病院から離れるというのがアメリカ式です。

また、主治医の役割も日本と大きく違います。普段患者さんが通院している開業医のことをPCP(Primary Care Physician)と言い、その患者さんの治療に対する全責任を負っています。例えばERにある患者が来院したとします。ERの医師が診察した後、必ずPCPと連絡をとり治療方針について話し合います。その患者さんが入院すると基本的には私たち研修医が患者さんを診ますが、毎日PCPに電話をして状況を説明し、PCPの意見を聞かなければなりません。退院を決めるのもPCPです。そしてPCPは私たち研修医を教育する義務もあるのです。

さらに驚くことにほとんどのPCPは毎朝自分のクリニックが始まる前に自分の患者を回診します。日本の開業医はそこまで自分の患者さんに責任を持っていませんね。この主治医制はアメリカ独特のもので、私たち家庭医療の研修医はこのような開業医になるべく訓練されるのです。

非常に忙しい入院チームも終わり、現在は新生児、小児科を研修しています。来月は小児科のお話をさせていただきます。

山前浩一郎

 

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