やまさきファミリークリニック 院長ブログ

尼崎市のやまさきファミリークリニック – 内科・老年内科・糖尿病内科・小児科・アンチエイジング・渡航前ワクチン/英文診断書・治験

アメリカ便り5 米国臨床留学 家庭医療@ピッツバーグ大学

アメリカ便り5:小児科研修(2004年10月)

皆さんこんにちは。ピッツバーグの山前です。

今月は新生児科と院外の小児科開業医で研修したお話をします。
基本的に私たち家庭医療で診ている患者さんは私たちがお産を取り上げることは以前お話ししました。その後の新生児のケアも私たちの重要な役目です。毎日のようにお産があるので4週間でかなりの数の赤ちゃんを診察しました。
初めはよく分からなかった異常も慣れてくると分かるようになります。想像以上に黄疸をよく見かけましたが、見逃さまいと診察していると皆黄疸があるように見えてきてしまい困ってしまいました。まだまだ経験が必要です。
また、同時に母親教育も重要です。新生児には母乳を与えることが推奨されているのは日本と同じですが、多くの母親は粉ミルクを選択します。面倒だからというのが理由のようですが、まだ母親が高校生であったりすると学校にも行かなければならず、母乳で育てるのは困難であるという社会的背景もあります。
ただし、こちらでは高校生で妊娠した女性専用の施設があり、同じ立場の女性が何人かで共同生活をしながらその施設内で学校のカリキュラムと平行して母親教育を受ける取り組みがなされています。このようなバックアップが無料で提供されていて、アメリカにも良いところがあるなと感心させられます。

午後はピッツバーグ近郊のクリニックで小児科の外来を行いました。よく本にアメリカでは1人の患者さんに25分かけて丁寧に頭の先からつま先まで診察すると書いてあったのでそのような外来を想像していきましたが、そのクリニックは非常に繁盛していてほとんど日本のクリニックと同じ状態でした。ある日の午後は100人以上が予約されていたほどです。しかしそれを一人でこなすわけではなく、常勤医が3人いるので日本よりは多くの時間を割くことができます。
感心させられるのは、全ての付き添いの親に患者さんの年齢に応じた一般的な注意事項を説明することです。同じ事を何回も言うのでよどみなく機関銃のように説明していきます。早く自分も同じようになりたいものです。

この4週間は比較的楽な研修で本を読む暇もあり、新生児蘇生の資格も得ることが出来ました。しかしそれは次に待っているピッツバーグ小児病院での厳しい研修への小休止に過ぎないのでした。来月は何とか耐え抜いたピッツバーグ小児病院のお話です。

山前浩一郎

 

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