やまさきファミリークリニック 院長ブログ

尼崎市のやまさきファミリークリニック – 内科・老年内科・糖尿病内科・小児科・アンチエイジング・渡航前ワクチン/英文診断書・治験

アメリカ便り10 米国臨床留学 家庭医療@ピッツバーグ大学

アメリカだより10:コメディカルとの協力(2005年4月)

 

皆さん、こんにちは。ピッツバーグの山前です。

今回は医師以外の充実したスタッフについてお話しします。
現在はインターンとして最後の入院チームで研修をしています。患者さんの入院期間は日本と比べると驚くほど短く平均で約3-4日です。一週間も入院しているとよほど重病かと思われます。この短い入院を可能にしているのは医師と共に患者さんをケアしている多くのコメディカルのおかげです。

まずはなんと言っても看護師さん。とても頼りになるのは日米同じです。
看護師さんの下には看護助手さん達が働いています。
それ以外に欠かせないのはソーシャルワーカーです。1病棟患者さん約30人につき2人おり、全入院患者さんの退院プランを入院時から作成してくれます。ホームケアが必要であったり、看護師の在宅派遣、在宅採血、在宅酸素、在宅リハビリ、在宅点滴、リハビリ病院・老人ホームへの転送など何でも頼んでいます。彼女たちのおかげでスムースに退院が進みます。
さらには、栄養管理チーム、呼吸管理チーム、PT/OT、心肺リハビリ、採血・血管確保チームと言った専門職が数多く存在するおかげで私たち医師は自分で手を動かすことなく、頭で治療計画を立てるだけで事が運んでしまうと言う何とも恵まれた環境がここ米国にはあります。何でも任せてしまうので、自分で採血が出来なかったり、血管確保が出来ない医師が数多くいるのは見逃せない弊害でしょう。私の病院のように大学病院はスタッフが充実していますが、田舎の病院だと事情は違うかもしれません。

又、研修医が雑用をせずにトレーニングに専念していられるのはPA(フィジシャンアシスタント)と呼ばれる医師補助職のおかげでもあります。私たちは教育カンファランスを受ける事を強く望まれていますし、午前中に自分の患者さんの診察、カルテ書きを終わらせなければなりません。その間入院があった場合、PAの人たちが私たちの代わりに患者さんの入院オーダーを指示してくれます。彼らはプロの研修医なのです。
日本に導入したら医師不足が叫ばれることもなくなるのではないかと思われるシステムがこちらには沢山あります。ただし難点は人件費がかかりすぎることでしょう。アメリカの病院に一日入院すると何もしなくても30万円以上費用がかかってしまうのです!!

理想の医療を実現するのは難しいですね。次回はちょっと変わったローテーションなので来月はそのお話しをしましょう。


山前浩一郎

 

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