皆さんこんにちは。とうとうアメリカ便り、1年分の掲載完了です。
まだまだ続くのでお付き合い下さいね!
アメリカだより12:1年を振り返って(2005年7月)
皆さん、こんにちは。ピッツバーグの山前です。早いもので私がこの地に着いてから1年以上が過ぎました。今回は渡米一年を振り返って感じたことを述べてみようと思います。
英語と格闘しながら医療システムの違う米国での研修は想像通り苦労の連続でした。
しかし、それにも関わらずこうして研修を続けていられるのは研修を通じて自分が成長しているのが実感できているからかもしれません。
アメリカでの研修は常に患者にとってベストな治療は何かをたたき込まれることと言っても過言ではないと思います。特に私が研修している家庭医療は患者志向の強い科ですので患者さん一人一人の生活環境や経済的背景を常に頭に入れながら治療を選択していきます。このような思考過程は日本の研修では得られませんでしたし、おそらく研修医の段階でここまで教育されることは不可能でしょう。
皆さんにとって比較的馴染みの深い抗生物質の使用に関しても常に根拠と費用を念頭に置いています。日本で行った研修に欠けていた何かを今埋め合わせている、そんな充実感を味わっています。昨年まではアメリカ方式の研修について行くのが精一杯でしたが、今年は自分の将来を考えながら行動しようと考えています。研修後は日本に帰国し地域医療へ貢献しようと考えていますが、当然、現在行っている研修を何らかの形で生かせるようアイディアを練るつもりです。幸い新八柱台病院(帰国後勤務予定であった今はなき素敵な病院)は地域に根ざした極めて良質な医療を提供する病院です。ここでなら何か出来るに違いないと確信しています。
奇しくも2年目最初のローテーションは再び産科でした。昨年と違い患者さんへのサポートはかなり出来た自信があります。取り上げた赤ん坊も30人を数えました。
そして、新たなインターンが世界中から集まってきました。これからは教育される立場から教育する立場となります。患者さんへの責任も当然のように増大します。これまでと違うチャレンジが続きますが、恵まれた環境の中、楽しみながら自己研鑽していこうと思っています。
山前浩一郎
毎年7月にピッツバーグでは全米唯一の公道レースが開催されます。形成外科のシュバルツ先生はポルシェ356で参戦。応援に行きました。